ワイン初心者必見!赤・白・ロゼ別に見るブドウ品種と味わいの違い​

ワイン 赤 白 ロゼ グラス

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ワインに興味があるが、種類が多くて選びにくいと感じる人がいます。ワインを楽しむには、知識が必要です。この記事では、赤・白・ロゼの違いや、日本で使われる主要なブドウ品種も紹介します。ブドウ品種の特徴を理解すれば、レストランでも自信を持って注文できます。

自分に合うワインを見つけるには、基本的な特徴を知ることが大切です。ワインの世界を身近に感じて、楽しく味わいましょう。

嫁ちゃんソムリエ

ワインのプロが、初心者の方にもわかりやすく解説します。

目次

赤ワインに使われるブドウ品種

赤ワイン ブドウ 房

赤ワインにはさまざまなブドウ品種が使われており、味わいや香り、熟成のポテンシャルが異なります。代表的な品種は以下のとおりです。

  • カベルネ・ソーヴィニヨン
  • メルロー
  • ピノ・ノワール
  • シラー(シラーズ)
  • テンプラニーリョ
  • ネッビオーロ
  • ガルナッチャ(グルナッシュ)

カベルネ・ソーヴィニヨン

カベルネ・ソーヴィニヨンは赤ワインを代表するブドウ品種で、濃い色と豊富なタンニンを持ち、長期熟成に適しています。黒スグリやペッパー、ミントの香りがあり、力強い味わいが特徴です。ボルドーをはじめ、ナパ・ヴァレーやコルチャグア・ヴァレーなど世界各地で栽培されており、単一でもブレンドでも使われます。

カベルネ・ソーヴィニヨンは赤身肉とよく合うワインとしても有名です。シャトー・ラフィットやオーパス・ワンなどの高級ワインから、手頃な価格のものまで幅広く流通しています。

筆者

カベルネ・フランとソーヴィニヨン・ブランの交配種で、重厚な赤ワインを楽しみたい人におすすめです。

メルロー

メルロー ワイン グラス

メルローは、赤ワイン愛好家から初心者まで人気のあるブドウ品種です。原産地はフランスのボルドーで、現在は世界各地で栽培されています。柔らかく丸みのある味わいで、タンニンが穏やかで飲みやすく、初心者に最適です。メルローは、プラムやブラックベリーの果実味とチョコレートやスパイスの香りが感じられます。

単一でも造られますが、カベルネ・ソーヴィニヨンとのブレンドも有名です。若いうちから楽しめるうえ、熟成すると深みが増します。肉料理とよく合い、多くの人に親しまれています。

ピノ・ノワール

ピノ・ノワールは赤ワイン用の人気品種で、原産地はフランスのブルゴーニュ地方です。ピノ・ノワールから造られるワインには、以下の特徴があります。

  • 繊細で優雅な味わい
  • 強い酸味と控えめなタンニン
  • チェリーやラズベリー、イチゴなどの果実の香り
  • スパイスや土のような香り
  • 軽やかな口当たり
  • 幅広い価格帯

ピノ・ノワールは冷涼な気候を好みますが、皮が薄く病気に弱いため、栽培が難しい品種です。若いままでも楽しめますが、時間とともに現れるキノコや腐葉土の香りは、熟成ワインならではの魅力です。魚や鶏肉を使った料理と相性が良く、アメリカやニュージーランド、ドイツでも栽培されています。

嫁ちゃんソムリエ

世界的に最も有名なワインとされる「ロマネ・コンティ」は、ピノ・ノワール100%で造られています。

シラー(シラーズ)

シラー(シラーズ)は、フランスのローヌ地方が原産で、濃い紫色のワインを生み出す赤ワイン用ブドウ品種です。シラーから造られるワインには、以下の魅力があります。

  • 豊富なタンニン
  • 力強さと濃厚さ
  • スパイスや黒コショウの風味
  • ブラックベリーやプラムの果実味
  • フルボディの飲みごたえ

シラーだけでワインを醸造できますが、他の品種とブレンドされることもあります。熟成させると複雑さが増し、長期保存も可能です。料理との相性も良く、ステーキやラム肉など、濃厚な肉料理との相性は抜群です。シラーは比較的温暖な気候を好むため、主にフランスのローヌ地方とオーストラリアで栽培されています。

オーストラリアでは「シラーズ」と呼ばれ、人気の高い品種です。シラーから造られるワインはアルコール度数がやや高いため、飲む量に注意しましょう。

テンプラニーリョ

赤ワイン ブドウの房 バスケット

テンプラニーリョは、スペイン原産の赤ワイン用ブドウ品種です。濃い色合いと豊かなタンニンがあり、フルーティーな香りと味わいが特徴です。チェリーやプラムの果実味に加え、スパイスやハーブの風味と、ほどよい酸味も感じられます。

テンプラニーリョは若飲みも熟成も楽しめる、幅広い魅力を持つ品種です。主にスペインのリオハやリベラ・デル・デュエロで栽培されており、スペインを代表する品種として知られています。肉料理やチーズと相性が良く、食事に合わせやすいワインです。

ネッビオーロ

ネッビオーロは、イタリア北西部ピエモンテ州原産の赤ワイン用ブドウ品種です。オーストラリアやアメリカでも栽培されていますが、生産量は多くありません。霧を意味する「ネッビア」に由来し、高級で希少なワインの原料として知られています。

ネッビオーロワインはタンニンが豊富で酸味が強く、長期熟成に適しています。チェリーやバラ、タールやリコリスなど複雑な香りがあり、アルコール度数は13〜15%と高めです。若い段階では渋みが強いですが、熟成によって味と香りに深みが増します。バローロやバルバレスコなどの高級ワインにも使われています。

肉料理や熟成チーズとよく合い、特別な場面にも適したワインです。

嫁ちゃんソムリエ

バローロは「イタリアワインの王」と称され、ネッビオーロ100%で造られています。

ガルナッチャ(グルナッシュ)

ガルナッチャはスペイン原産の赤ワイン用ブドウ品種で、フランス南部ではグルナッシュと呼ばれています。濃い紫色でアルコール度数が高く、力強い味わいが特徴です。ガルナッチャを使うと、ベリー系の果実味や甘み、スパイシーな香りや、やわらかいタンニンが感じられるワインに仕上がります。

ガルナッチャはブレンド用として使われることが多く、スペインのリオハやプリオラートなどで広く栽培されています。フランスのコート・デュ・ローヌ地方にあるシャトーヌフ・デュ・パプでも、主要品種の一つです。熟成が進むと、レザーや動物的な香りが現れるのも魅力です。

ガルナッチャは、暑く乾燥した気候に強く、温暖な地域での栽培に適しています。肉料理やスパイシーな料理と相性が良く、ロゼワインにも使われる品種です。
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白ワインに使われるブドウ品種

白ワイン グラス ブドウの房

白ワインの味や香りは、使われるブドウ品種によって決まります。代表的な白ワイン用のブドウ品種は、以下のとおりです。

  • シャルドネ
  • ソーヴィニヨン・ブラン
  • リースリング
  • ピノ・グリ(ピノ・グリージョ)
  • ゲヴュルツトラミネール
  • セミヨン

シャルドネ

シャルドネは白ワインを代表するブドウ品種で、世界中で広く栽培されています。原産はフランスのブルゴーニュ地方で、単一品種やブレンド、シャンパーニュの原料としても使われています。柑橘やリンゴ、洋ナシの香りがあり、ミネラル感と酸味のバランスが抜群です。

樽熟成ではバターやバニラの香りが加わり、オーク樽は濃厚に、ステンレスタンクはフレッシュに仕上がります。さまざまな環境に適応しますが、主な産地はシャブリ、コート・ドール、カリフォルニアなどです。魚介や白身肉と相性が良く、若飲みも熟成も楽しめます。
» シャルドネとは?「白ワインの女王」の特徴や選び方を解説

嫁ちゃんソムリエ

辛口白ワインの代名詞とも言える「シャブリ」もシャルドネから造られています。

ソーヴィニヨン・ブラン

白ワイン グラス デキャンタ 白ブドウの房

ソーヴィニヨン・ブランはフランス原産の白ブドウで、爽やかな酸味が特徴です。グレープフルーツやライム、青ピーマン、ハーブのような香りで、世界中で親しまれています。主な産地は、フランスのロワール地方とニュージーランドのマールボロ地区です。

ソーヴィニヨン・ブランは、冷涼な気候で栽培するとブドウの品質が格段によくなります。ソーヴィニヨン・ブランのワインは単一品種で造られることが多く、辛口が主流です。ステンレスタンクで発酵させ、若いうちに飲むのがおすすめです。アルコール度数は12〜14%程度で、魚介や野菜料理とよく合います。
» 特徴を活かす!ワインを使った料理と料理に合うワインの選び方

リースリング

リースリングはドイツ原産の白ブドウです。高い酸味と果実味、アロマティックな香りが特徴で、甘口から辛口まで幅広いスタイルがあります。花や果実、ミネラル感や石油のような香りも魅力の一つです。冷涼な気候で育つため、ドイツやアルザス、オーストリアが主要産地として知られています。

和食やエスニック料理ともよく合い、近年はニューワールドでも人気です。熟成により味が変化するため、ワイン愛好家にも好まれています。アルコール度数が低めのものが多いので、軽めに楽しみたい人におすすめです。

ピノ・グリ(ピノ・グリージョ)

ピノ・グリは、フルーティーでフレッシュな味わいが特徴の白ワイン用ブドウ品種です。イタリアではピノ・グリージョと呼ばれ、軽快で爽やかなスタイルが人気です。ピノ・グリのワインには、以下の魅力があります。

  • 淡い黄金色から銅がかった色まで広がる色調
  • 柑橘系や洋ナシ、青リンゴなどの豊かな果実味
  • ミネラル感や花の香り
  • 食中酒としての相性の良さ

ピノ・グリは冷涼な気候で栽培されることが多く、アルコール度数は12〜14%程度です。一般的には若いうちに飲まれますが、高品質なものは熟成にも適しています。アルザス地方では、濃厚で熟成に向いたタイプも造られています。

筆者

コストパフォーマンスが良いので、ワイン初心者におすすめです。

ゲヴュルツトラミネール

ゲヴェルツトラミネール ワイン グラス

ゲヴュルツトラミネールは香り高い白ワイン用ブドウで、ライチやバラ、スパイスを思わせる華やかな香りが特徴です。辛口から甘口まで幅広いスタイルがあり、アルコール度数は13〜15%と高めで、酸味は穏やかです。味わいは中程度からフルボディまで楽しめます。

ゲヴュルツトラミネールの主な産地は、フランスのアルザス地方です。一般的には若いうちに飲まれますが、熟成によってハチミツやナッツの香りも現れます。アジアやエスニック料理とよく合い、8〜10℃に冷やすと香りが際立ちます。生産量は少ないものの、個性的な風味はワイン通から高評価です。

筆者

フランスのアルザス地方以外にも、ドイツのファルツやバーデン、イタリアのアルト・アディジェ地方でも栽培されています。

セミヨン

セミヨンはフランス原産の白ブドウで、主な産地はボルドー地方です。蜂蜜やアプリコットの香り、ワックスのような質感、豊かなボディが特徴です。単一品種でも造られますが、ソーヴィニヨン・ブランとのブレンドで複雑な味わいになります。

セミヨンは貴腐ワインの主要品種としても有名で、甘口スタイルにも使われます。熟成で味わいが深まるので、長期保存に最適です。ドライからスイートまであり、好みに応じて選べます。
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ロゼワインに使われるブドウ品種

ロゼワイン ボトルとグラス 背景桜

ロゼワインに使われるブドウ品種には、以下のようなものがあります。

  • グルナッシュ
  • サンソー
  • ムールヴェードル

グルナッシュ(ガルナッチャ)

グルナッシュはスペイン原産の赤ワイン用ブドウで、フランスではグルナッシュ、スペインではガルナッチャと呼ばれています。濃厚で果実味が豊かで、アルコール度数は高めです。ラズベリーやイチゴの香りに加え、スパイシーな風味もあり、タンニンは穏やかです。単一でもブレンドでも使われます。

グルナッシュは、コート・デュ・ローヌやプリオラートなどでよく用いられ、ロゼにもぴったりです。熟成が進むとレザーやハーブの香りが現れます。暑く乾燥した気候に強いため、世界中で栽培されています。果実味が豊かで飲みやすく、初心者にもおすすめです。

サンソー

ロゼワインとフルーツ

サンソーは南フランス原産のブドウ品種で、ロゼワインの製造に適しています。フルーティーで軽やかな味わいで、チェリーやラズベリーのような赤い果実の香りを感じる品種です。酸味は穏やかで飲みやすく、淡い色合いや豊かな果実味、やわらかなタンニンがロゼによく合います。

グルナッシュやムールヴェードルとブレンドすると、複雑で深みのある味わいになります。サンソーは、若いうちに楽しめる、暑い季節にぴったりのワインです。

ムールヴェードル

ムールヴェードルはロゼワインに適した黒ブドウで、フランス南部のプロヴァンス地方で広く栽培されています。濃い色合いと豊かな果実味、強いタンニンを持ち、黒果実やプラム、ブラックベリーの香りとスパイシーな風味が特徴です。

ムールヴェードルは、単一よりもブレンドに使われることが多く、グルナッシュやシラーと組み合わせたGSMブレンドも有名です。暑く乾燥した気候に強く、オーストラリアではマタロと呼ばれています。ムールヴェードルのロゼは、果実味が豊かでボディもしっかりしており、食事と合わせやすいワインです。
» ロゼワインの基本と楽しみ方を解説

筆者

GSMは、グルナッシュ、シラー、ムールヴェードルの頭文字をとったもので、主に南フランスやオーストラリアで造られるブレンドワインの呼び名です。

嫁ちゃんソムリエ

GMSの3品種の個性を組み合わせることで、芳醇な果実味とスパイス感のある見事なバランスの良いワインに仕上がります。

日本のワインに使われるブドウ品種

和食とロゼワイン

日本のワイン業界では、以下の独自品種を用いて、特色あるワインを生産しています。

  • マスカット・ベーリーA
  • ブラック・クイーン
  • 甲州
  • ナイアガラ

マスカット・ベーリーA

マスカット・ベーリーAは、日本で開発された赤ワイン用品種です。果皮が薄く果肉がやわらかいため、フルーティーで軽やかな味わいのワインになります。タンニンが少なく酸味も穏やかなので、ワイン初心者にも飲みやすい品種です。若いうちに楽しめるタイプが多く、冷やして飲むのにも適しています。

マスカット・ベーリーAは、和食との相性も良く、日本ならではのワインとして人気です。主な産地は山梨県や長野県、山形県です。単一品種としてだけでなく、ブレンドに使われる場合もあります。近年は、醸造技術の進化により品質が向上し、国際的なコンクールでも高い評価を受けています。

嫁ちゃんソムリエ

わさびや醤油といった調味料との相性も抜群です。

ブラック・クイーン

黒ブドウ ワイングラス

ブラック・クイーンは日本固有の黒ブドウ品種で、山梨県で開発されました。果皮が薄く色素が少ない、軽やかな赤ワインです。フルーティーな香りと穏やかな酸味、少ないタンニンが特徴で、飲みやすいワインとして人気です。若飲みに適しており、冷やして楽しめるほか、和食ともよく合います。

ブラック・クイーンは生産量が少ないため希少性があり、マスカット・ベーリーAと比較されることの多い品種です。現在は長野県や北海道でも栽培されており、品質向上に取り組む生産者が増えています。

甲州

甲州は日本固有の白ブドウ品種で、山梨県が主な産地です。栽培の歴史は1000年以上で、甲州市(旧勝沼町)が発祥とされています。皮が厚くて病気に強く、柑橘系の香りと軽やかな酸味が特徴です。辛口からやや甘口まであり、日本の食文化に合うワインとして国内外で注目されています。

甲州はスパークリングにも使われ、2010年にはOIV(国際ブドウ・ワイン機構)に登録されました。ジュースや生食用にも利用されており、収穫は9月中旬〜10月上旬に行われます。

ナイアガラ

ナイアガラは、日本のワイン産業で重要な白ブドウ品種です。甘口のデザートワインやスパークリングに使われ、フルーティーで芳醇な香りと爽やかな風味を持ちます。酸味が穏やかで飲みやすく、初心者にもおすすめです。

ナイアガラは寒冷地に強く耐病性があり、栽培も容易なため、山梨県や長野県などで広く栽培されています。和食との相性も良く、軽やかな甘みが料理を引き立ててくれるので、家庭での食事にもぴったりです。

まとめ

ロゼワインとブドウの房

ワインを楽しむには、ブドウ品種を知ることが大切です。赤や白、ロゼ、日本ワインに使われる主要品種を学べば、ワイン選びがより楽しくなります。品種の特徴を知ると、好みのワインを見つけやすくなり、レストランでもスマートな注文が可能です。多様な品種を知り、ワインの世界を広げましょう。
» ワインの基礎知識から各種ワインの違い、選び方を詳しく解説!

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この記事を書いた人

日本ソムリエ協会認定のソムリエ夫婦です。
プロの感性を活かして、本当に美味しいワインをご紹介。
ただのレビューサイトではなく、ワインの基礎も分かりやすく学べます。
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