ワインのサングリアを初めて作る場合、材料の選び方や配合に迷う方は多いです。この記事では、サングリアの基本的な作り方やワインの種類別レシピ、アレンジ方法を詳しく解説します。記事を読めば、自宅で簡単に本格的なサングリアが作れるようになり、パーティーやおもてなしの場で喜ばれます。

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- 仕事以外でも年間100本のワインを飲む愛好家
- 独自に評価基準を設定し、プロ目線で評価
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夫婦そろってバーテンダーでもあります。お酒のプロが、初心者の人にもわかりやすくサングリアを解説します。
サングリアの作り方の基本は、ワインにフルーツを漬け込み、砂糖やリキュールで味を調えるだけです。ワインの種類を変えたり、フルーツを工夫したりするだけで、オリジナルのサングリアが完成します。
ワインのサングリアの材料と選び方


ワインのサングリアの材料と選び方について、以下の内容を解説します。
- 使用するワインの選び方
- 合わせるフルーツの選び方
- その他必要な材料の選び方
使用するワインの選び方
サングリアに最適なワインは、フルーティーで酸味が少ないものです。高価なワインを使う必要はなく、コスパの良い手頃な価格帯(1,000〜2,000円程度)のものを選びましょう。サングリアには熟成していない若いワインを選ぶことも大切です。
赤ワインでサングリアを作る場合は、ミディアムボディのワインがおすすめです。白ワインを使う場合は、中辛口のものを選びましょう。ロゼワインとスパークリングワインでは、甘口のものがおすすめです。香りが強すぎないものを選ぶと、フルーツの香りとバランスよく楽しめます。
開封済みのワインやスクリューキャップのワインでもサングリア作りが可能です。
» ワインの基礎知識から各種ワインの違い、選び方を詳しく解説!
合わせるフルーツの選び方


ワインのサングリアに合わせる基本的なフルーツは以下がおすすめです。
- オレンジ
- レモン
- ライム
その他のフルーツはワインの種類によって選び分けると、よりおいしく仕上がります。赤ワインのサングリアには、りんごやベリー系のフルーツ、白ワインやロゼワインには、桃や洋ナシがおすすめです。スパークリングワインにパイナップルなどの南国フルーツを加えると、エキゾチックな味わいを楽しめます。
ワインのサングリアには旬のフルーツを使うとコスパが良く、風味も豊かになります。皮付きのフルーツを使う場合は、有機栽培のものか、よく洗浄したものを使いましょう。ワインのサングリアに使うフルーツの組み合わせは3〜4種類程度がおすすめです。フルーツを入れすぎると、風味が複雑になるため注意しましょう。



ワインの香りで連想するフルーツを選ぶとマッチしやすいです。



酸味、甘味、少しの苦味を意識すると、バランスよく仕上がります。
その他必要な材料の選び方
ワインのサングリアを作る際には、砂糖やはちみつを使って甘さを調整できます。自然な甘みを好む方には、はちみつやアガベシロップがおすすめです。香りと風味を深めるスパイス類も重要です。以下のスパイスを使うことで、本格的な味わいを楽しめます。
- シナモンスティック
- クローブ
- バニラビーンズ
- スターアニス
- レモングラス
アルコール度数と深みを増したいときは、ブランデーやコニャックを少量加えましょう。風味に合わせて、カシスやオレンジなどのリキュールもおすすめです。飾り用のミントを加えると香りと見た目の両方を楽しめます。炭酸水やソーダを加えることで爽やかさが増し、飲みやすくなります。
夏場や冷やして提供する場合は、氷も用意しましょう。
ワインのサングリアの作り方


ワインのサングリアの作り方を以下の種類別に解説します。
- 基本(赤ワイン)のサングリア
- 白ワインのサングリア
- ロゼワインのサングリア
- スパークリングワインのサングリア
基本(赤ワイン)のサングリア
サングリアは、フルーティーな味わいのミディアムボディの赤ワインをベースに作る方法が一般的です。フルボディタイプの赤ワインを選ぶと、より本格的な味わいになります。赤ワインのサングリアに必要な材料は、以下のとおりです。
- 赤ワイン1本
- オレンジ1個
- レモン1個
- リンゴ1個
- 砂糖またははちみつ
- ブランデーまたはコニャック
- スパイス
- 氷
- 炭酸水(お好み)
赤ワインはテンプラニーリョやガルナッチャ、カベルネ・ソーヴィニヨンなどのフルボディタイプがおすすめです。スパイスは、シナモンスティックやクローブが定番です。フルーツは小さめに切ってください。すべての材料を大きめの容器に入れて混ぜ、冷蔵庫で2時間以上、できれば一晩寝かせましょう。
寒い季節には、ワインのサングリアを温めて、ホットサングリアを楽しめます。
» 赤ワインと白ワインの違いを知っておいしく楽しもう!
白ワインのサングリア
白ワインのサングリアは暑い季節にぴったりな爽やかな味わいです。白ワインのサングリアにおすすめのフルーツは、以下のとおりです。
- レモン
- ライム
- オレンジ
- 白桃
- 洋梨
- 青リンゴ
白ワインのサングリアは、白ワインにカットしたフルーツを浸け、3〜4時間ほど冷蔵庫で寝かせるだけで簡単に作れます。甘さが足りない場合は、はちみつやアガベシロップを加えてください。風味をさらに豊かにしたい場合は、スパイスを加えましょう。提供する際は、7〜10℃に冷やします。



アップルブランデーやマラスキーノリキュールを少量加えると、より複雑でアロマティックな味わいになります。



もっと気軽に楽しむなら、カルピスを加えるのもおすすめです。
ロゼワインのサングリア


ロゼワインのサングリアは、美しいピンク色とフルーツの豊かな風味が特徴です。使用するフルーツは、以下がおすすめです。
- ベリー系のフルーツ
- 柑橘類
- 桃
- メロン
甘みを加える際は、はちみつを使うとロゼワインの華やかさを引き立てられます。ハーブを加えると、香りの複雑さが増して豊かな味わいになります。サーブする際は、たっぷりの氷を入れた透明なピッチャーやグラスを使いましょう。
» ロゼワインの基本と楽しみ方を解説
スパークリングワインのサングリア
スパークリングワインを使ったサングリアは、通常のサングリアよりも爽やかで軽やかな味わいです。炭酸の弾ける感覚が、暑い季節やパーティーにおすすめです。スパークリングワインを使ったサングリアにおすすめのフルーツは、以下が挙げられます。
- レモン
- ライム
- オレンジ
- 白桃
- リンゴ
- ベリー系のフルーツ
スパークリングワインのサングリアを作るコツは、炭酸が抜けないようにすることです。フルーツの浸け込み時間は30分程度と短めにし、スパークリングワインは直前に加えましょう。氷を入れすぎると炭酸が早く抜けてしまうため注意してください。
風味を豊かにしたい場合は、ベルモットを少量加えるのもおすすめです。最後にミントやバジルなどのハーブを添えれば、見た目も香りも華やかになり、おもてなしにぴったりです。甘みを加える場合は、砂糖やはちみつを控えめに使い、スパークリングワイン本来の爽やかさを生かしましょう。
» シャンパンとスパークリングワインの違いは何?選び方と楽しみ方



自宅での女子会などには、ロゼスパークリングでサングリアを作ると見た目も美しくておすすめです。
ワインのサングリアのアレンジ方法


ワインのサングリアは、基本のレシピをマスターすれば、さまざまなアレンジが楽しめます。以下のアレンジ方法について解説します。
- フルーツやハーブのアレンジ
- 甘味や風味を加えるアレンジ
- リキュールやソーダでのアレンジ
フルーツやハーブのアレンジ
フルーツやハーブを工夫することで、ワインのサングリアの味わいを大きく変えられます。オレンジやレモン、ライムなどの柑橘系のフルーツを薄切りにして加えると、ワインのサングリアが爽やかになります。皮ごと入れる場合は苦みが出るため、浸す時間に注意が必要です。
ドライフルーツを長時間漬け込むと、生のフルーツとは違う濃厚な甘さと風味が加わります。ワインのサングリアにハーブを加えると、香りの複雑さが増します。ハーブは少量でも香りが強いため、入れすぎないよう調整してください。
甘味や風味を加えるアレンジ


ワインのサングリアの魅力を引き立てるために、甘味や風味を加えてみましょう。はちみつやメープルシロップを加えると、自然な甘さになります。ワインのサングリアにブラウンシュガーやきび砂糖を使うと、深みのある甘さになります。
シナモンスティックやバニラビーンズなどのスパイスを使ったアレンジも人気です。健康を意識する方は、血糖値の急上昇を抑えられる低GI値のアガベシロップを使いましょう。ワインのサングリアに、ローズウォーターやエルダーフラワーシロップを少量加えるアレンジもおすすめです。



甘味料やスパイスは、ワインのサングリアを漬け込む段階で加えると風味がしっかりと染み込みます。
リキュールやソーダでのアレンジ
ワインのサングリアにさまざまなリキュールやソーダを加えると、より個性的な味わいを楽しめます。リキュールの種類によって風味が大きく変わるため、好みに合わせてアレンジしましょう。ワインのサングリアにコアントローを加えると、高級感のある味わいに仕上げられます。他にも、以下のリキュールがおすすめです。
- トロピカルな風味を加えるラム酒
- ボタニカルな香りのジン
- カシスリキュール
- ピーチリキュール
ソーダ類を使ったアレンジも簡単で、暑い季節におすすめです。トニックウォーターでほろ苦さ、ジンジャーエールで甘さとスパイシーさを加えられます。レモンソーダで爽やかな酸味、オレンジソーダでフルーティーな甘みを加えましょう。
ワインのサングリアの飲み方


ワインのサングリアの飲み方は、以下のとおりです。
- ストレートやロックで楽しむ
- カクテル風にジュースを合わせる
- ブランデーやラムを加えて楽しむ
ストレートやロックで楽しむ
ワインのサングリアはストレートやロックで楽しみましょう。ストレートで飲む場合は、フルーツの香りとワインの風味のバランスが最も引き立てられる12〜14℃程度に冷やしてください。ロックで楽しむ場合は、溶けにくく味が薄まりにくい大きめの氷が最適です。
夏場は凍らせたフルーツを入れると、冷たさを保てます。ワインのサングリアのアルコール度数は通常8〜12%程度ですが、ロックにするとまろやかな風味になります。長時間置いておくと氷が溶けて味が薄まるため、飲むペースに合わせて少しずつグラスに注ぎましょう。
カクテル風にジュースを合わせる


ワインのサングリアはそのままでもおいしいですが、ジュースと合わせることで飲みやすくなります。オレンジジュースを加えると爽やかな風味になり、白ワインのサングリアと相性抜群です。パイナップルジュースを混ぜれば、南国風の甘い香りを楽しめます。
さっぱりとした大人向けの味わいが好みなら、グレープフルーツジュースがおすすめです。クランベリージュースは、酸味と甘みのバランスが良いため、赤ワインのサングリアに合います。全体の味を引き締めたい場合は、少量のライムジュースを加えましょう。



ワインのサングリアとジュースの割合は、1:1〜3:1が飲みやすいバランスです。



複数のジュースを組み合わせると、オリジナルカクテル風のサングリアを作れます。
ブランデーやラムを加えて楽しむ
ブランデーやラムをワインのサングリアに加えると深みが生まれます。高級なブランデーは、豊かな香りを持っているため、ワインのサングリアが贅沢な風味になります。カリビアン風味のサングリアを楽しみたい場合は、ダークラムを加えるのがおすすめです。白ワインやロゼワインのサングリアには、ホワイトラムがおすすめです。
ワインのサングリアに蒸留酒を加える際は、全体の10%以下に抑えましょう。蒸留酒を加えた後は、1〜2時間ほど寝かせて風味をなじませます。フルーツを先に蒸留酒に漬け込むと香りが移り、より風味豊かになります。蒸留酒入りのサングリアは、冷蔵庫で2〜3日は風味を保てるため少し多めに作っても安心です。
ワインのサングリアに合うおつまみと料理


フルーティーでスパイシーな風味がワインのサングリアの特徴です。以下の内容について解説します。
- ワインのサングリアに合うおつまみ
- ワインのサングリアに合う料理
ワインのサングリアに合うおつまみ
ワインのサングリアに合うおつまみは、以下のとおりです。
- ハモン・セラーノやチョリソー
- オリーブやアンチョビのマリネ
- マンチェゴなどのスペイン産チーズ
- エビのアヒージョやタコのガリシア風
- 塩味の効いたナッツ類
ワインのサングリアに合う料理
パエリアやタパス、ガスパチョなどの本場スペインの味わいはワインのサングリアと相性抜群です。他にも以下の料理がおすすめです。
- 地中海料理
- オリーブやオリーブオイルを使った料理
- 各種チーズ
- 生ハムやサラミ
- トマトベースの煮込み料理
- メキシカン料理やエスニック料理
- 新鮮な魚介類を使った料理
- グリル料理やバーベキュー料理
スペイン風オムレツのトルティージャやエンパナーダ、ブルスケッタなどの軽食もおすすめです。
» 特徴を活かす!ワインを使った料理と料理に合うワインの選び方
ワインのサングリア作りの注意点


ワインのサングリアを作るときの注意点について、以下の内容を解説します。
- 酒税法に関する注意点
- 自宅で作る際の注意点
酒税法に関する注意点
ワインのサングリアを楽しむ際は、酒税法を理解しておくことが大切です。自宅で楽しむ場合は、問題ありません。以下の場合は、酒税法に違反する可能性があるため、注意してください。
- 無免許での販売目的での製造
- 蒸留酒の追加
- 未成年者への提供
- 営利目的での提供
酒税法では「酒類の製造」は原則として免許が必要と定められています。「酒類の製造」には、単に発酵させるだけでなく、既存のお酒に他の酒類を「大量に加えて」アルコール度数を引き上げる行為も含まれます。
つまり、ワインベースのサングリアにブランデーやラムなどの蒸留酒を大量に加えてアルコール度数を高めることは、実質「リキュールを作った」と見なされてしまうのです。



風味付けで少量加える程度なら問題ありません。
販売目的で自家製サングリアを製造する場合は、事前に税務署への申請が必要です。酒類の容器に関する規定も遵守してください。



市販の酒ボトルなどに再び詰め直す行為は、再販売目的と誤解されるリスクがあり、法律違反とされることもあるので注意してください。
自宅で作る際の注意点
自宅でワインのサングリアを作る際は、ガラス製やステンレス製の容器を使いましょう。アルミや銅製の容器は化学反応を起こす可能性があるため避けてください。フルーツは洗浄と消毒を徹底しましょう。フルーツの種や芯を取り除くと、ワインのサングリアに雑味が出ません。
自家製のワインのサングリアは3日以内に消費し、作りすぎないように注意しましょう。ワインのサングリアは冷蔵庫で保管し、常温での長時間放置は避けてください。保存容器はしっかり密閉することで、風味を保てます。ワインのサングリアは飲みやすいですが、ワインをベースとしたお酒のため、飲み過ぎには注意しましょう。
まとめ


サングリアは、ワイン初心者でも楽しめる飲み物です。赤ワインなら果実味豊かな品種、白ワインなら爽やかな酸味のあるものを選びましょう。フルーツは柑橘類や季節の果物を組み合わせ、新鮮なものを使うと風味が良くなります。
ワインのサングリアの魅力は、ワインの種類によってさまざまなバリエーションが楽しめる点です。数時間以上漬け込むことで風味が増すため、時間に余裕を持って作りましょう。ハーブやスパイス、リキュールを追加することで、自分だけのアレンジも可能です。
飲み方もストレートやロック、ソーダ割りなどさまざまなスタイルで楽しめます。スペイン料理やタパス、チーズなどの軽食と合わせると、ワインのサングリアをより楽しめます。自宅でサングリアを作る際は、酒税法を守り、衛生面に気をつけましょう。この記事を参考に、自分好みのワインのサングリアを見つけてみてください。