「ワインに氷って入れてもいいのかな?」と疑問に感じたことはありませんか。特に暑い季節やカジュアルなシーンでは、手軽に冷やして飲みたいと考えることも多くあります。この記事では、ワインに氷を入れてもOKなシチュエーションや氷と相性の良いワインの種類について徹底解説しました。

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ワインのプロが初心者の方にもわかりやすく解説します。
記事を読めば、ワインに氷を入れることへの罪悪感や疑問がなくなり、TPOに合わせてワインを自由に楽しめます。ワインに氷を入れるのは、実はタブーではありません。選び方とちょっとしたコツを押さえれば、新しいワインの楽しみ方が広がります。
味や温度に敏感なワインだからこそ、シーンに応じたアレンジを知り、身近な飲み物として親しんでください。
ワインに氷を入れてもOKなシチュエーション


ワインに氷を入れてもOKなシチュエーションは、以下のとおりです。
- 自宅やカジュアルな場
- 夏の暑い日や屋外でのイベント
- 軽い食事やパーティー
自宅やカジュアルな場
自宅やカジュアルな場では、ワインに氷を入れて楽しんでも全く問題ありません。自分のペースで飲みたいときや、手早くワインの温度を調整したい場合にも、氷は役立ちます。楽しい集まりの場でワインを飲むときや、手頃な価格のワインなら氷を入れても気軽に楽しめます。
リラックスした場面では、自分の好みに合わせて自由にワインを楽しみましょう。



自宅やカジュアルな場所では、マナーも気にする必要はありません。
夏の暑い日や屋外でのイベント


夏の暑い日や屋外でのイベントでワインを楽しむとき、氷を入れるのはとても良い方法です。暑いとワインがすぐにぬるくなってしまいますが、氷を入れることで冷たさを保ち、すっきりとした飲み心地を維持できます。ピクニックやバーベキュー、音楽フェスなどのカジュアルな場面では氷が役立ちます。
ワインクーラーや冷蔵庫が使えない環境でも、氷さえあれば手軽に冷やせるからです。氷で薄まっても構わないワインなら、軽やかで飲みやすい味になります。



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軽い食事やパーティー
軽い食事やパーティーでも、ワインに氷を入れるのはとても良いアイデアです。カジュアルな集まりでは、ワインの飲み方も自由で構いません。ホームパーティーや立食パーティーでは、堅苦しいルールにとらわれる必要がないからです。ピザやパスタ、フィンガーフードなどの軽食と氷で冷やしたワインは相性抜群です。
暑い日のガーデンパーティーやバーベキューでは、冷たい飲み物が特に喜ばれます。甘めのワインやサングリアは、氷を入れればカクテル感覚で楽しめるためおすすめです。アルコール度数の高いワインでも、氷を入れることで飲みやすくなり、ゆっくりと楽しめます。
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ワインに氷を入れるメリット


ワインに氷を入れるメリットは、以下のとおりです。
- ワインが素早く冷える
- フレーバーや口当たりの調整ができる
- アルコール度数が和らぐ
ワインが素早く冷える
ワインに氷を入れると、冷蔵庫よりもずっと速く冷やせます。氷は短時間でワインの温度を下げられるため、冷蔵庫でじっくり冷やす時間がないときに便利です。急なお客さんが来たときも、常温のワインですぐに対応できます。
屋外でのバーベキューやピクニックといった冷蔵庫がない場所でも、氷があれば簡単にワインを冷たくして楽しめます。入れる氷の量を変えれば、自分好みの冷たさに細かく調整も可能です。ワインに氷を入れることで、飲みたいと思った瞬間に、冷えたワインを味わえるのは大きなメリットです。
フレーバーや口当たりの調整ができる


ワインに氷を入れると、気分に合わせて味わいを調整できる点がメリットです。氷で冷やすことで、ワイン特有の酸っぱさや渋みが穏やかになり、果物のような風味や甘みが際立ちます。フルーティーなワインや甘口ワインは、冷やすと一層さわやかな味わいを楽しめます。
氷が溶けるにつれてワインのアルコール感が和らぎ、飲み口が軽やかになるため、アルコールが苦手な方でも楽しみやすいです。温度変化により、隠れていた香りが広がったり、強すぎた香りが落ち着いたりする変化も楽しめます。ワインに入れる氷の量を調整すれば、味の濃さや冷たさを自分好みに整えられます。
アルコール度数が和らぐ
ワインに氷を入れると、溶けた氷によって全体のアルコール度数が下がり、より飲みやすくなります。アルコールに弱い方でも気軽に安心してワインを楽しめます。
ワインに氷を入れることでアルコール特有の刺激が抑えられる点もメリットです。口当たりがとてもマイルドになるため、自分のペースでじっくりとワインを味わえます。長時間の食事やパーティーでもワインを楽しめます。



アルコールに弱い方だと、飲むのに時間がかかってワインがぬるくなりがちです。マナーを気にせず氷を入れておいしくゆっくり飲みましょう。
ワインに氷を入れるデメリット


ワインに氷を入れるデメリットは、以下のとおりです。
- ワインの味が薄まる
- ワイン本来の香りが損なわれる
- ワインの質が落ちる
ワインの味が薄まる
ワインに氷を入れると、ワインの味が薄くなる点がデメリットです。氷が溶けるとワインの濃度が薄くなり、ワイン本来の味や香りが弱くなるからです。酸味や甘味、渋みといった味のバランスが崩れる場合もあります。ワインに氷を入れると、後味が水っぽくなり、余韻も短くなります。
しっかりとした味わいのワインでも、氷を入れると軽すぎる印象になりがちです。
ワイン本来の香りが損なわれる


ワインに氷を入れると、ワインが本来持っている繊細な香りを損ねる可能性があります。氷が溶けてワインが薄まったり、温度が急激に下がりすぎたりすることで、香りの成分が感じにくくなるからです。氷が溶けると、ワインの香りを作り出している成分も一緒に薄まってしまいます。
ワインの温度が急激に下がると、香りの成分が空気中に出にくくなり、奥深い香りを感じ取りにくくなります。ワインに氷を入れることで薄まる主な香りは、以下のとおりです。
- 果物のような甘い香り
- お花のような華やかな香り
- コショウなどのスパイスを思わせる香り
ワインごとに異なる、ブドウの種類や製造工程によって育まれた香りが、氷によって薄れてしまいます。
ワインの質が落ちる
ワインに氷を入れると、ワインの質が落ちる場合があります。氷が溶けてワインが薄まるだけでなく、ワイン本来の繊細な香りや味わいのバランスが崩れてしまうためです。ワインの繊細な香りや良い香りを感じにくくなり、味わいの複雑さや深みが失われて単調な味に感じられます。
ワインに氷を入れると、ワインが持つ酸味や渋み、果実味などの調和が乱れてしまいます。造り手の想いや土地の特徴が薄れ、熟成による深い風味も損なわれるので、高級なワインに氷を入れることはおすすめしません。香りや味わいの変化を楽しむために丁寧に作られたワインは、適温で飲むと本来の魅力を最大限に引き出せます。
氷を入れてもおいしいワインの種類


氷を入れてもおいしいワインの種類は、以下のとおりです。
- 甘口ワイン
- フルーツワイン
- サングリア
- スパークリングワイン
甘口ワイン
甘口ワインは、氷を入れてもおいしく楽しめるワインの一つです。甘口ワインはもともと糖分を多く含んでいるため、氷で少し薄まっても甘みや風味がしっかりと残ります。冷やすと、重たい甘さがすっきりとした味わいに変わり、とても飲みやすくなります。氷と相性の良い甘口ワインは以下のとおりです。
- 貴腐ワイン
- アイスワイン
- モスカート・ダスティ
- 甘口のリースリング
甘口ワインは氷を入れることで、違った魅力を発見できるワインです。



「モスカート・ダスティ」はイタリア産の微発泡甘口白ワインです。アルコールが低く、マスカットのような華やかな香りと優しい甘さが特徴で、ワイン初心者や甘口好きにぴったりです。
フルーツワイン


フルーツワインは、氷を入れてもおいしく楽しめる代表的なワインの一つです。果実本来の風味や甘みがしっかりと感じられ、氷で冷やすと爽快な味わいになり、飲みやすくなるからです。フルーツワインはブドウ以外のリンゴやベリー、桃といった果物を原料にしていたり、ワインに果汁を加えたりして造られます。
甘口でフルーティーな味わいが多いフルーツワインは、氷が溶けても味が保たれやすい特徴を持っています。アルコール度数が低めに作られている製品も多いため、氷を入れるとさらにアルコール感が和らぐことも嬉しい点です。フルーツワインは冷やすと果物の良い香りがより一層際立ち、リフレッシュしたいときにぴったりです。
サングリア
サングリアは、赤ワインや白ワインに、色とりどりのカットフルーツやスパイス、甘味料を加えて作られるワインです。サングリアはフルーツの風味と甘みが豊かなため、氷が溶けても最後までおいしく味わえます。アルコール度数も比較的低めで、氷を入れるとさらに飲みやすいです。
サングリアは、ワインを飲み慣れていない方にもぴったりです。華やかな見た目は、パーティーなどの楽しい集まりの場にもよく合います。サングリアは、フルーツから出る自然の甘みと酸味が絶妙なバランスで、暑い夏の日にも爽やかに楽しめます。
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スパークリングワイン
スパークリングワインも、氷を入れておいしく楽しめるワインの一つです。シュワシュワとした炭酸の爽快感と氷の冷たさが一緒になることで、特に暑い日にはおいしく感じられます。氷によってアルコール度数と泡の刺激が少し和らぎ、飲みやすくなることも嬉しい点です。
甘口のスパークリングワインは、氷で少し味がまろやかになり、さらに飲みやすくなります。プロセッコやカヴァなど、比較的お手頃な価格のものは、気軽に試しやすいです。ロゼのスパークリングワインも、見た目が華やかで氷との相性が良くおすすめです。
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ワインに氷を入れておいしく飲む方法


ワインに氷を入れておいしく飲む方法は、以下のとおりです。
- 溶けにくい氷を使用する
- 氷を入れるのに適した形状のグラスを選ぶ
- フルーツを凍らせて氷代わりにする
溶けにくい氷を使用する
ワインに氷を入れる際は、できるだけ溶けにくい氷を選びましょう。溶けにくい氷を使うと、ワインがすぐに薄まってしまうのを防げ、ワイン本来の味や香りも長く楽しめます。ワインに入れるおすすめの氷の特徴は以下のとおりです。
- 大きな氷
- 丸い氷
- 透明度の高い氷
大きな氷や丸い氷は、普通の小さな四角い氷よりも表面積が小さいため、ゆっくりと溶けます。透明度の高い氷は、中に空気が少なく不純物も少ないため、比較的溶けにくいです。ご家庭で氷を作る場合は、大きめの製氷皿や丸型の製氷器を使いましょう。
ただし、溶けにくい氷でも、たくさん入れすぎるとワインが冷えすぎて香りを感じにくくなるので注意してください。



コンビニやスーパーで販売している氷は溶けにくく、純度の高い氷なのでおすすめです。
氷を入れるのに適した形状のグラスを選ぶ


氷を入れるのに適したグラスを選ぶことで、ワインをよりおいしく楽しめます。グラスの形状や素材によって、氷の溶け具合やワインの冷たさの保ち方が変わるからです。口が広い形状のグラスは氷を入れやすく、厚みのある素材や構造なら冷たさを保ちやすくなります。
ステム(脚)付きのグラスは手の温度がワインに伝わりにくく、安定感のあるタンブラー型なら氷が入っても倒れにくいです。十分な容量があるグラスを選べば、氷とワインのバランスも取りやすくなります。適したグラス選びが、氷入りワインをより楽しむ秘訣です。
フルーツを凍らせて氷代わりにする
凍らせたフルーツを氷代わりにすることで、見た目も華やかで、ワインの風味も豊かに楽しめるためおすすめです。フルーツの香りがワインにほのかに移ることで、いつもとは違った風味豊かな味わいを発見できます。凍らせたフルーツを使うことで見た目も華やかになり、ワイン本来の風味を損なわずに冷やせます。
凍らせたフルーツであれば溶けてもワインが薄まりにくいので、最後までおいしさを保てる点が魅力です。使用するフルーツによって、さまざまなフレーバーの変化を楽しめます。ベリー系や柑橘系のフルーツ、ぶどうなどで試してください。
まとめ


ワインに氷を入れて飲む方法は、初心者の方でも気軽に楽しめます。氷を使うとワインを素早く冷やせたり、アルコール度数を和らげたりできる点がメリットです。一方で、ワインの味が薄まったり、本来の香りを感じにくくなったりする残念な点も知っておきましょう。
家でリラックスして飲むときや、夏の暑い日に外で飲むときなど、気軽に試せる場面があります。甘めのワインやスパークリングワインは、氷との相性が良い種類です。溶けにくい大きな氷を使うと、味が薄まるのを防げます。凍らせたぶどうやベリーを氷の代わりに使うこともおすすめです。
ワインの楽しみ方は一つではなく、自由な発想で工夫することが、日常に彩りを加えるきっかけになります。さまざまな飲み方を試して、あなたの好みやシーンに最適なワインの楽しみ方を探してみましょう。