ワインを楽しみたくても、種類が多く選び方がわからない方は多くいます。ロゼワインは、赤ワインと白ワインの中間的な存在で、魅力的ながら特徴がつかみにくいワインです。この記事では、ロゼワインの基本や楽しみ方、料理との相性、健康効果を解説します。記事を読めば、ロゼワインの魅力がわかり、自信を持って選べます。
ロゼワインは、フルーティーな香りと爽やかな味わいが特徴的なワインです。ロゼワインは、赤ワインの果皮を短時間だけ漬け込んで作ります。
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- 独自に評価基準を設定し、プロ目線で評価
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ワインのプロが、初心者の人にもわかりやすく解説します。
ロゼワインとはピンク色のワインの総称


ロゼワインについて、以下の項目を解説します。
- 赤ワインや白ワインとの違い
- ロゼワインの製造方法
- ロゼワインの種類
赤ワインや白ワインとの違い
ロゼワインは、赤ワインと白ワインの中間的な特徴を持つワインです。赤ワインや白ワインとは製造方法が異なります。ロゼワインの特徴は、以下のとおりです。
- 色:赤ワインより薄く、白ワインより濃い
- タンニン:赤ワインより少なく、白ワインより多い
- 果実味:赤ワインより軽く、白ワインより強い
- 酸味:白ワインに近い
- アルコール度数:赤ワインより低く、白ワインより高い
- 飲み頃の温度:赤ワインより低く、白ワインより高い
ロゼワインのタイプによって飲み頃の温度が少し違います。
スパークリングのロゼ:6~10℃
軽快でフレッシュな辛口のロゼ:7~9℃
ややコクのあるロゼ:10~12℃
しっかりとしたボディのロゼ:12~13℃



一般的に、ロゼワインは、10~12℃が適温とされています。



スパークリングでも非発泡性ワインでも、軽快なタイプは冷やして、コクのあるタイプは少し温度を高めにすることがおすすめです。
ロゼワインは初心者の方でも飲みやすく、さまざまな料理に合わせやすいため、ワインの楽しみ方が広がります。
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ロゼワインの製造方法


製造方法によって、色合いや風味が異なるロゼワインができます。ロゼワインの主な製造方法は、以下の5つです。
- 赤ワイン用ブドウの果皮を短時間だけ果汁に漬け込む方法
- 果汁に漬け込む時間を調整して、ワインの色の濃さを変えられます。
- 赤ワインと白ワインをブレンドする方法
- さまざまな味わいのロゼワインの製造が可能です。
- 赤ワイン用ブドウを白ワイン用に醸造する方法
- 赤ワイン用ブドウの特徴を活かしつつ、軽やかな味わいに仕上がります。
- セニエ法
- 発酵前に果汁の一部を抜き取り、色素の濃度を調整します。
- 直接圧搾法
- ブドウを軽く圧搾して、薄いピンク色の果汁を得る方法です。繊細な味わいのロゼワインができます。
発酵温度や期間の管理、酵母の選択、熟成期間の調整、最終的なブレンディングも重要です。
ロゼワインの種類
ロゼワインにはさまざまな種類があり、製造方法や味わいによって分類されます。主な種類は以下のとおりです。
種類 | 分類方法 | 特徴 |
ブレンド・ロゼ | 製造方法 | 赤ワインと白ワインを混ぜる |
サンジネ・ロゼ | 製造方法 | 赤ブドウの果汁を短時間だけ果皮と接触させる |
プレス・ロゼ | 製造方法 | 赤ブドウを絞って得た果汁で作る |
マセラシオン・ロゼ | 製造方法 | 赤ブドウの果汁を果皮と一定時間接触させる |
スティル・ロゼ | 泡の有無 | 泡がない |
スパークリング・ロゼ | 泡の有無 | 泡がある |
ドライ・ロゼ | 甘さ | 辛口 |
スウィート・ロゼ | 甘さ | 甘口 |
ライト・ロゼ | 色 | 淡いピンク色 |
ダーク・ロゼ | 色 | 濃いピンク色 |
ロゼワインの種類を知ると、自分の好みに合ったロゼワインを選ぶときに役立ちます。



ロゼの種類を覚えておく必要はありませんが、好みの味わいや色の濃さは決めておくと注文しやすいです。



レストランでは、男性より女性の方が「ロゼ好きが多い」印象です。デートでワイン選びに困ったら、ロゼを選択するのもありですね。
ロゼワインの色と味わい


ロゼワインの色と味わいについて、以下の項目を解説します。
- ロゼワインの色の違い
- ロゼワインの味わいと香り
ロゼワインの色の違い
ロゼワインの色は、淡いピンクから深いサーモンピンクまでさまざまです。色の濃さによってロゼワインの味わいも変化します。色が濃いほど赤ワインに近い味わいになり、色が薄いほど白ワインに近い味わいになります。淡いピンクはフレッシュで軽やかな味わい、濃いピンクは果実味が豊かで複雑な味わいです。
サーモンピンクはエレガントで繊細な味わい、オレンジがかったピンクは熟成感のある味わいになります。ロゼワインの色は、製造過程でのブドウの皮との接触時間や熟成期間、産地によって変化します。
ロゼワインの味わいと香り
ロゼワインの味わいと香りは、フルーティーで爽やかです。赤ワインよりも軽く、白ワインよりも深みのある味わいが楽しめます。以下の特徴があります。
- ベリー系の果実味:イチゴ、ラズベリー、チェリー
- 柑橘系の香り:グレープフルーツ、オレンジ
- 花の香り:バラ、ゼラニウム
- ハーブ、草の香り
- ミネラル感
- バランスの取れた酸味と甘味
- 辛口から甘口まで幅広い味わい
- 若々しく生き生きとした印象
- タンニンが控えめ
- アルコール度数:7〜13%程度
ロゼワインは初心者でも飲みやすく、さまざまな料理と合わせやすいワインです。
ロゼワインの健康への影響


ロゼワインの健康への影響について、以下の項目を解説します。
- ロゼワインのカロリーと糖質の目安
- ロゼワインに期待できる健康効果
ロゼワインのカロリーと糖質の目安
ロゼワインのカロリーと糖質は、赤ワインや白ワインよりも低めです。100ml当たり約70〜80kcalのカロリーと、2〜3gの糖質を含んでいます。カロリーや糖質は、製法や品種によって異なります。ドライタイプのロゼワインは低カロリー・低糖質です。
スイートタイプのロゼワインはカロリーと糖質が比較的高くなります。アルコール度数が高いとカロリーも高くなります。カロリーや糖質を気にする方は、ドライタイプで低アルコールのロゼワインがおすすめです。
ロゼワインに期待できる健康効果
ロゼワインには、以下の健康効果が期待できます。
- 老化防止効果
- 心臓病リスクの低減
- 血圧低下効果
- 脳卒中リスクの軽減
- 糖尿病リスクの低下
- 骨密度の向上
- ストレス軽減効果
- 抗炎症作用
- 免疫系の強化
- 肝機能の改善
- 睡眠の質の向上
- 認知機能の改善
健康効果を得るには、飲酒量を適度に抑えましょう。過度な飲酒は逆効果のため、注意してください。
ロゼワインと料理の合わせ方


ロゼワインと料理の合わせ方について、以下の項目を解説します。
- ロゼワインに合う料理
- ロゼワインと相性の良い食材
- 季節ごとのおすすめペアリング
ロゼワインに合う料理
ロゼワインはさまざまな料理と相性が良く、幅広いメニューに合わせやすいワインです。以下の料理と合います。
- 魚料理(サーモンやマグロ)
- シーフード(エビやカニ)
- 冷製肉料理(生ハムやサラミ)
- トマトベースの料理(パスタやピザ、サラダ)
- アジア料理(スパイシーなもの)
- 地中海料理
- 鶏肉料理
- 豚肉料理
- 前菜全般
- 野菜料理
- グリル料理
ロゼワインは和食や洋食、エスニック料理など、さまざまな料理を楽しめます。パーティーやバーベキューなどでも重宝します。



豆腐料理や出汁巻き卵、お寿司にもロゼワインは相性抜群です。
ロゼワインと相性の良い食材


ロゼワインはさまざまな食材と相性が良いワインです。フルーツやチーズ、生ハム、グリル野菜との相性が抜群です。ロゼワインの軽やかな味わいや果実味と合います。
季節ごとのおすすめペアリング
ロゼワインは多様性があるため、季節ごとの食材や料理と合わせると、より豊かな味わいを楽しめます。季節ごとのおすすめの組み合わせは、以下のとおりです。
- 春
- 軽めのロゼワインと相性の良い、旬の野菜サラダや桜鯛のカルパッチョがおすすめです。花見シーズンには、ドライタイプのロゼワインとお花見弁当や桜餅を合わせると、季節感を楽しめます。
- 夏
- 暑さを和らげるフルーティーなロゼワインと、冷製パスタやシーフードバーベキューが最適です。暑い日にはスパークリングロゼと、ガスパチョや生ハムが合います。
- 秋
- やや重めのロゼワインと、きのこのリゾットや秋刀魚の塩焼きがぴったりです。紅葉シーズンには、ミディアムボディのロゼワインと、栗の料理やサーモンのムニエルを楽しめます。
- 冬
- しっかりしたボディのロゼワインと、鍋料理やローストチキンが体を温めるうえで効果的です。クリスマスにはロゼシャンパンと、オードブルやローストターキーを組み合わせると華やかになります。
ロゼシャンパンと、フルーツタルトやチーズプレートは、季節を問わず楽しめる組み合わせです。



ちょっとしたパーティーでも、ロゼワインの美しいロゼ色が食卓を彩って華やかになります。
ロゼワインの選び方と購入のポイント


ロゼワインの選び方と購入のポイントについて、以下の項目を解説します。
- ロゼワインの選び方
- ロゼワインの購入時に確認すべき点
ロゼワインの選び方
ロゼワインの選び方のポイントは、以下のとおりです。
- 色の濃さ
- 淡いピンクや濃いサーモンピンクなど、さまざまな色合いがあります。
- 産地
- ロゼワインの特徴や品質の予想が可能です。フランスやスペイン、イタリアなど、生産国によって特徴が異なります。
- ブドウ品種
- グルナッシュやサンジョヴェーゼなどが一般的です。ワインの味わいがわかります。
- 甘さのレベル
- 辛口や中間、甘口など、好みに合わせて選びましょう。
- 製造方法
- 直接圧搾法やセニエ法など、製法によって味わいが変わります。
- ヴィンテージ(収穫年)
- 熟成度がわかります。
- 価格帯
- 高価格であっても、高品質とは限りません。
専門店やソムリエのアドバイスや価格帯、食事との相性、飲む場面や季節、個人の好みや経験、評価やレビューも重要です。可能であれば、試飲しましょう。選び方のポイントを押さえると、自分好みのロゼワインを見つけやすくなります。
ロゼワインの購入時に確認すべき点
ロゼワインを購入する際は、以下の点を確認しましょう。
- ボトルの形状や色
- 受賞歴や評価
- 保存方法や飲み頃
- 合わせる料理や食材
- 生産量や希少性
- オーガニック認証の有無
- 輸入元や販売元の信頼性
ラベルには生産者や等級などが記載されているため、ロゼワインの品質や特徴を知る手がかりになります。



初心者が全部を確認するのは大変でしょう。どんな料理と合わせたいかだけでも決めておくと、ワインを飲むのが楽しみになります。
ロゼワインの楽しみ方


ロゼワインの楽しみ方について、以下の項目を解説します。
- ロゼワインの最適な飲み方と温度
- ロゼワインの保存方法
ロゼワインの最適な飲み方と温度
ロゼワインは冷やして飲むのが一般的で、10〜12℃程度が適温です。白ワイングラスを使いましょう。冷蔵庫で30分程度冷やすと、ちょうど良い温度になります。夏場は氷を入れても問題ありません。グラスの3分目程度まで注ぎ、飲む直前にグラスを軽く回して香りを立たせます。
ロゼワインは食前酒やアペリティフにも最適です。ピクニックや屋外イベントにも適しており、さまざまなシーンで楽しめます。
» 【初心者向け】ワイングラスの種類と選び方を解説
ロゼワインの保存方法
ロゼワインの保存方法は、品質と風味を最大限に保つために重要です。適切な保存方法を守ると、ロゼワインのおいしさを長く楽しめます。開封前のロゼワインは、暗く涼しい場所で保管しましょう。直射日光や振動を避け、横に寝かせて保存するのがおすすめです。冷蔵庫で保存する場合は、3〜5℃が理想です。
飲む少し前に冷蔵庫から出して室温に置くか、グラスに少しずつ注いでゆっくりと温度が上がるのを待つと、おいしくロゼワインが飲めます。
開封後は3〜5日以内に消費します。専用のワインストッパーを使って保存しましょう。真空ポンプで酸化を防ぎ、立てて保存します。ロゼワインは長期保存に向きません。購入後1〜2年以内に消費しましょう。急激な温度変化は香りに影響を与えるため、避けてください。
適切な保存方法を守ると、ロゼワインの風味と品質を最大限に保てます。
ロゼワインに関するよくある質問


ロゼワインに関するよくある質問は、以下のとおりです。
- ロゼワインは甘口だけ?
- ロゼワインは低品質なの?
ロゼワインは甘口だけ?
ロゼワインは甘口だけではありません。辛口のロゼワインも多く存在し、甘さは製法や使用するブドウの品種によって異なります。国や地域による違いを以下にまとめます。
国や地域 | 主要なロゼワインの味 |
フランス(プロヴァンス地方) | 辛口 |
スペイン | 辛口 |
イタリア | 辛口 |
アメリカ(ホワイト・ジンファンデル) | 甘口 |
日本 | 甘口(辛口が増加傾向) |
甘いワインが苦手な方でも、辛口のロゼワインを楽しめます。ワインラベルの表記や販売店での説明を確認すると、ロゼワインが甘口か辛口か判断できます。好みに合わせて選びましょう。
ロゼワインは低品質なの?
ロゼワインが低品質とは一概には言えません。高品質なロゼワインも多く存在します。ワインの品質は製法や原料となるブドウの質によって決まり、ロゼワインも例外ではありません。一部の安価なロゼワインが低品質なイメージの原因です。フランスのプロヴァンス地方など、高級ロゼワインの産地も存在します。
近年、世界中でロゼワインの品質が向上し、評価が高まっています。ロゼワインのコンペティションなどで高評価を得るワインも増えました。価格帯や産地、生産者によって品質はさまざまです。ロゼワインを選ぶときは、個人の好みや料理との相性を考慮しましょう。
高品質なロゼワインを探す場合は、信頼できるワインショップやソムリエに相談してください。
まとめ


ロゼワインは、ピンク色の魅力的なワインです。赤ワインと白ワインの中間的な存在で、幅広い味わいと香りを楽しめます。ロゼワインはカロリーが比較的低く、適量摂取で健康効果も期待できるため、ダイエット中の方にもおすすめです。さまざまな料理と相性が良く、季節を問わず楽しめる点もロゼワインの特徴です。
甘口から辛口までさまざまな種類があり、品質も豊富なため、自分好みのロゼワインを見つけられます。選び方や購入時のポイントを押さえ、適切な温度と保存方法を守ると、ロゼワインの魅力を最大限に引き出せます。この記事を参考に、ロゼワインを楽しんでください。