ワインを気軽に楽しみたいと思うことはありませんか?ワインの渋みやアルコールが気になる方には、ワインの炭酸割りがおすすめです。ワインを炭酸で割ることで、アルコール度数が下がり、飲みやすくなります。ワインの炭酸割りにフルーツやハーブを加えれば、見た目も華やかになり、ホームパーティーにも最適です。
この記事では、ワインの炭酸割りについての基本知識や種類、ワインの選び方を解説します。記事を読めば、自宅で手軽に楽しめるワインドリンクのレパートリーが広がり、ワインがより身近になります。ワインの炭酸割りは、世界中で親しまれており、ワインの風味を生かしながら楽しめる点が魅力です。

- 夫婦ともに日本ソムリエ協会認定の現役ソムリエ
- 仕事以外でも年間100本のワインを飲む愛好家
- 独自に評価基準を設定し、プロ目線で評価
- 男女それぞれの視点からもワインをレビュー



夫婦そろってバーテンダーでもあります。お酒のプロが、初心者の人にもわかりやすくカクテルのキールについて解説します。
ワインの炭酸割りのメリット


ワインの炭酸割りは、楽しい飲み方として人気を集めています。ワインの炭酸割りのメリットは以下のとおりです。
- 飲みやすくなる
- 料理と合わせやすくなる
飲みやすくなる
ワインの炭酸割りは、ワインを劇的に飲みやすくします。酸味や渋みが強いワインはワイン初心者に敬遠されがちです。ワインに炭酸を加えることで、刺激が和らぎ、親しみやすい味わいに変化します。ワインの炭酸割りの魅力は、以下のとおりです。
- 酸味や渋みが緩和される
- アルコール度数が下がる
- 飲み口が爽快になる
ワインの炭酸割りは、暑い季節にぴったりで、冷たい炭酸の清涼感とワインの風味が絶妙に調和します。食前酒としても最適で、胃を刺激しすぎることなく、食事への期待感を高めます。炭酸の量を調整すれば、ワインの個性を残しながら、飲みやすさのコントロールが可能です。
料理と合わせやすくなる
ワインを炭酸で割ると、さまざまな料理との相性が格段に良くなります。ワインの炭酸割りは、繊細な和食との相性が抜群で、魚料理や和風パスタとの組み合わせがおすすめです。食事の邪魔をせず、むしろ料理の風味を引き立てる効果があります。
» 特徴を活かす!ワインを使った料理と料理に合うワインの選び方
赤ワインの炭酸割りの種類


赤ワインに炭酸を加えることで、新しい味わいを楽しめる飲み方が世界各国に存在します。以下に赤ワインを使った炭酸割りのカクテルを紹介します。
- ティント・デ・ベラーノ(ソーダ割り)
- キティ(ジンジャーエール割り)
- スプリッツァー・ルージュ(炭酸水割り)
- アメリカンレモネード(レモネード割り)



「ティント・デ・ベラーノ」と「スプリッツァー・ルージュ」は似ていますが、主に割り材が違います。
ティント・デ・ベラーノ(ソーダ割り)
ティント・デ・ベラーノは、スペイン発祥の赤ワインカクテルで、夏の定番の飲み物として親しまれています。スペイン語で「ティント」は赤ワイン「ベラーノ」は夏を意味し、暑い季節にぴったりの爽やかなドリンクです。
作り方はシンプルで、赤ワインとソーダを1:1の割合で混ぜ、レモンやオレンジなどの柑橘類を加えるだけです。ワインとソーダの配合比率は、好みで調整できるため、自分の好きな味わいを見つけられます。
ティント・デ・ベラーノに適した赤ワインは、甘口からミディアムボディが理想的です。スペインのテンプラニーリョ種のワインがよく使われます。ティント・デ・ベラーノは、スペインのバルや屋外カフェでは定番の飲み物で、タパスなどの軽食と一緒に楽しむのが一般的です。
家庭でも簡単に作れるカジュアルなカクテルなので、高価なワインを使う必要はありません。安価な赤ワインでもおいしく楽しめるコスパの良いドリンクです。



割り材のソーダとは、レモンソーダやスプライト、果汁入り炭酸水など好みのもので割ってください。
キティ(ジンジャーエール割り)


キティは赤ワインをジンジャーエールで割ったワインカクテルです。サングリアからインスパイアされた飲み物で、赤ワインの渋みとジンジャーエールの甘さ・スパイシーさが絶妙に調和しています。キティの作り方は赤ワインとジンジャーエールを1:1の割合で混ぜるだけです。
フルーティーでタンニンが控えめな赤ワインが相性抜群で、メルローやガメイ、ピノ・ノワールが適しています。キティの魅力は飲みやすさで、ワインの苦手な方でも楽しめます。キティは氷を入れて冷やして飲むのが一般的で、夏の暑い時期に最適な一杯です。
キティの楽しみ方をアレンジしたい場合は、オレンジやレモンなどの柑橘類を添えると風味が増します。キティはカジュアルなパーティーやバーベキューなどでもおすすめです。アジア料理やスパイシーな食事との相性も良く、食前酒やデザートワインとしても楽しめます。
スプリッツァー・ルージュ(炭酸水割り)
スプリッツァー・ルージュは、赤ワインを炭酸水で割った爽やかなカクテルです。オーストリア発祥のドリンクで、赤ワインと炭酸水を2:1の割合で作ります。スプリッツァー・ルージュは、赤ワイン特有の渋みやタンニンが炭酸水によって和らぎ、軽やかな飲み口に変化します。
スプリッツァー・ルージュに適した赤ワインの特徴は、以下のとおりです。
- フルーティな若い赤ワイン
- 軽〜中程度のボディの赤ワイン
スプリッツァー・ルージュは、ミントやベリー類を加えてアレンジできます。冷やした炭酸水を使えば、爽快感が増すため、氷をたっぷり入れて飲むのも良い方法です。スプリッツァー・ルージュは、赤ワインの香りを残しつつも、さっぱりとした味わいに仕上がります。



スプリッツァー・ルージュは、普段赤ワインを飲まない方にもおすすめです。
アメリカンレモネード(レモネード割り)


炭酸割りではありませんが、簡単おすすめ赤ワインカクテルをご紹介します。
アメリカンレモネードは、レモネードに赤ワインを混ぜた爽やかなカクテルです。暑い季節にも最適で甘酸っぱく、軽やかなカクテルとして人気があります。アメリカンレモネードは、レモネードと赤ワインを2:1の割合で混ぜるだけで完成するシンプルなレシピです。



材料は混ぜずに、レモネードに赤ワインを浮かべた方が美しい見た目で女性にも人気です。
アメリカンレモネードには、辛口の赤ワインが適しています。ガメイやピノ・ノワール、ジンファンデル種の赤ワインを使うと、レモネードの甘さとバランスが取れて、おいしく仕上がります。こだわった自家製レモネードを使用すると、自分好みの味わいになり、パーティーなどでの振る舞い酒に最適です。
アメリカンレモネードは、ハーブ系の肉料理や軽い前菜との相性も抜群なので、食事と一緒に楽しむのもおすすめです。
» 特徴を活かす!ワインを使った料理と料理に合うワインの選び方
白ワインの炭酸割りの種類


白ワインの炭酸割りは、爽やかさと飲みやすさが人気のドリンクです。以下に白ワインを使った炭酸割りの種類の一部を紹介します。
- スプリッツァー(炭酸水割り)
- オペレーター(ジンジャーエール割り)
- フーゴ(スパークリングワイン+エルダーフラワーシロップ)
スプリッツァー(炭酸水割り)
スプリッツァーはオーストリア発祥で、白ワインと炭酸水を1:1で割った爽やかなドリンクです。ドイツ語の「spritzen(はねる)」が語源で、グラスの中で炭酸がはじける様子から名付けられました。スプリッツァーは、夏の定番飲料としてオーストリアやドイツ、イタリア北部で広く親しまれています。
スプリッツァーの魅力は、炭酸の心地良い刺激が白ワインのフレッシュさや果実味を引き立て、爽やかな飲み口に仕上がる点です。スプリッツァーの作り方はシンプルで、以下の材料で簡単に作れます。
- 辛口の白ワイン
- 炭酸水
- レモンやライムのスライス
- ミント
スプリッツァーは「ゲシュプリッツァー」とも呼ばれ、食前酒や暑い日の爽やかな飲み物として最適です。ワインが苦手な方でも飲みやすいため、ワイン入門としても人気があります。スプリッツァーは、自宅でのパーティーでも手軽に作れるドリンクとして、重宝されています。
炭酸の強さによって味わいが変化するため、好みで調整してください。スプリッツァーには、高価なワインよりも、フレッシュでフルーティな若いワインが適しています。リースリングやグリューナー・ヴェルトリーナーがおすすめです。
オペレーター
オペレーターは白ワインをジンジャーエールで割った、やさしい甘みと爽やかさが魅力のドリンクです。ワインのアルコール感がジンジャーエールによってまろやかになり、食事中にも楽しめる軽快な味わいが特徴です。
オペレーターという名前の由来には諸説ありますが、飛行機の操縦士(オペレーター)の間で人気だったという説や、電話交換手(telephone operator)が仕事終わりに飲む軽めのカクテルとして人気だったため、名前が定着したという説があります。
オペレーターの魅力は、ジンジャーエールの爽快感と白ワインの果実味が絶妙に合わさり、甘すぎず、キリッとした後味に仕上がる点です。作り方も非常にシンプルで、以下の材料で手軽に楽しめます。
- 辛口または、やや甘口の白ワイン
- ジンジャーエール
- レモンスライス(お好みで)
好みのグラスに氷を入れ、白ワインとジンジャーエールを1:1の割合で注ぎ、軽く混ぜれば完成。ジンジャーエールの種類をドライタイプにすると、よりスッキリとした印象になります。
オペレーターは食前酒としても最適で、和食や軽めの前菜とも好相性。ワインに慣れていない方でも楽しめる、カジュアルな一杯です。



ベースを赤ワインにすると、「キティ」になります。
フーゴ


フーゴは、イタリア北部・南チロル地方で生まれたカクテルで、エルダーフラワーシロップの華やかな香りと爽やかな味わいが特徴です。2005年に現地のバーテンダーが考案した比較的新しいカクテルですが、春から夏にかけてのヨーロッパではすっかり定番となっています。
本来のレシピでは、イタリアのスパークリングワイン「プロセッコ」を使い、以下の材料で作られます。
- プロセッコ(または辛口のスパークリングワイン)
- エルダーフラワーシロップ
- ミントの葉
- カットライム
すべての材料をグラスに入れて軽く混ぜるだけで、香り高く爽快な一杯が完成します。



プロセッコが手に入らない場合は、白ワインと炭酸水を使ったアレンジ版もおすすめです。この場合は、以下のようなレシピになります。
- 辛口の白ワイン
- 炭酸水
- エルダーフラワーシロップ
- ミントの葉
- カットライム
白ワインと炭酸を合わせることで、プロセッコのような軽やかさを再現できます。家庭でも手に入りやすい材料で作れるため、気軽に「フーゴ風カクテル」を楽しめます。



フーゴ風カクテルには、フレッシュで軽やかな辛口白ワインがぴったりです。具体的には以下の品種が特に相性が良いでしょう。
- ソーヴィニヨン・ブラン:ハーブや柑橘の香りがミントやライムとよく調和します。
- ピノ・グリージョ(ピノ・グリ):やや中性的な果実味で、シロップの甘さとバランスが良いです。
- グリューナー・ヴェルトリーナー:ほんのりスパイシーでミネラル感があり、清涼感のある味わいに。
フーゴは見た目にも涼しげで、ガーデンパーティーやブランチの乾杯ドリンクとしてぴったり合います!ワイン初心者でも楽しめる、優しい味わいのスパークリングカクテルです。アルコール度数も控えめで、ワイン初心者やカクテルが苦手な方でも楽しみやすい一杯です。
プロセッコでも白ワインでも、お好みのスタイルでぜひ一度お試しください。
炭酸割りするワインの選び方


炭酸割りワインは、フルーティーで若いタイプのワインが最適です。赤ワインと白ワインにわけて、炭酸割りするワインの選び方を解説します。
» 赤ワインと白ワインの違いを知っておいしく楽しもう!
赤ワインの選び方
赤ワインを炭酸割りで楽しむなら、フルーティーで果実味が強いタイプを選びましょう。初心者でも飲みやすく、炭酸と混ぜたときに、絶妙なバランスを楽しめます。炭酸割りに適した赤ワインの特徴は、以下のとおりです。
- ミディアムボディのワイン
- 若い赤ワイン(2〜3年以内)
- 甘みを感じるワイン
- 香りが強すぎないワイン
品種は、メルローやピノ・ノワール、ガメイなどがおすすめです。地中海系の赤ワインは炭酸割りとの相性が抜群です。スペインのテンプラニーリョやイタリアのサンジョヴェーゼも試してみましょう。
白ワインの選び方
白ワインを炭酸で割る際は、フルーティーで軽めのタイプを選ぶことがポイントです。ソーヴィニヨン・ブランやピノ・グリージョなどが適しています。白ワインを選ぶ際のポイントは以下のとおりです。
- 酸味のあるワイン
- 香りの強いアロマティックなワイン
- シンプルな味わいのワイン
価格帯は1,000~2,000円程度の手頃なワインで十分楽しめます。高価な熟成ワインは味わいが複雑なため、炭酸割りには向いていません。甘口から辛口まで好みに合わせて選べますが、特に辛口タイプは炭酸との相性が良いです。
ワインの炭酸割りの作り方


ワインの炭酸割りの作り方を、以下のポイントに沿って紹介します。
- 材料の選び方
- おいしい作り方
材料の選び方
おいしいワインの炭酸割りを作るには、材料選びが大切です。質の良い材料を選べば、格段においしいワインの炭酸割りを楽しめます。炭酸水は無味が基本です。風味付きの炭酸水は、ワインの味わいと競合してしまうため、適していません。
赤ワインにはソーダ水やコーラ、ジンジャーエールが合います。一方、白ワインは炭酸水やレモネード、トニックウォーターとの相性が良いのが特徴です。ワインの炭酸割りには、グラス選びも重要です。ワイングラスかタンブラーを使うと見た目も美しく仕上がります。
氷を入れる場合は、大きめの氷を使うと溶けにくく、薄まりにくいメリットがあります。トッピングとして、スライスやカットしたレモンまたはライム、ミントの葉やベリー類などもおすすめです。
おいしい作り方
ワインの炭酸割りをおいしく作るには、正しい手順と少しのコツがいります。基本の作り方は、冷やしたワインと新鮮な炭酸を適切な比率で混ぜるだけです。炭酸割りに使うワインは、10〜12℃が理想的な温度です。ワインを冷やすことで炭酸の抜けを防ぎ、爽やかな飲み心地になります。
ワインの炭酸割りをおいしく作るための手順は以下のとおりです。
- グラスに氷を入れる
- ワインを注ぐ
- 炭酸水を加える
- 優しく混ぜる
ワインと炭酸の基本的な比率は1:1〜1:2が目安ですが、好みで調整できます。初心者は1:1からスタートして、自分好みの比率を見つけましょう。炭酸感を長持ちさせたい場合は、背の高いグラスを使うと効果的です。ワインの炭酸割りは、時間が経つと炭酸が抜けて風味が落ちてしまうため、作りたてを楽しんでください。
ワインを炭酸割りする際の注意点


ワインを炭酸割りする際の注意点を以下にまとめました。
- 炭酸の強さと量を調整する
- 適切な温度で保存する
炭酸の強さと量を調整する
炭酸の強さはワインの炭酸割りの味わいを大きく左右します。強い炭酸は爽やかな飲み心地になりますが、ワイン本来の風味や香りを打ち消してしまう可能性もあります。弱めの炭酸はワインの味わいを生かしながら軽やかさをプラスできるため、おすすめです。
ワインの炭酸割りには、使用する炭酸水の種類も重要です。単なるソーダ水よりもミネラルを含んだ炭酸水を使うと、より味わい深い仕上がりになります。季節や気温によって炭酸の量を調整するのも良い方法です。
すでに発泡性のあるスパークリングワインに炭酸を加えるのは避けましょう。過剰な炭酸になり、バランスを崩す可能性があります。
適切な温度で保存する
ワインの炭酸割りは適切な温度に保つことで、風味と炭酸の効果を最大限に楽しめます。炭酸割りの正しい温度管理は、おいしい炭酸割りを台無しにしないために重要です。赤ワインの炭酸割りは10〜14℃程度の温度が理想的で、赤ワイン特有の風味を生かしながらも、爽やかさを保てます。
白ワインの炭酸割りは、より冷たい6〜10℃程度が最適で、冷蔵庫での保存がおすすめです。開封したワインの保存にも注意が必要です。以下のポイントを押さえてください。
- 開封後のワインは2〜3日以内に使い切る
- ワインストッパーで密閉する
- 炭酸飲料と混ぜた状態での長時間保存は避ける
適切な温度管理により、ワインの炭酸割りの爽やかさと風味を最大限に引き出し、よりおいしく楽しめます。
まとめ


ワインの炭酸割りは、ワイン初心者でも気軽に楽しめます。飲みやすさが格段に向上し、ワイン本来の風味を引き立てるため、さまざまな料理とも相性抜群です。赤ワインではティント・デ・ベラーノやキティ、白ワインではスプリッツァーやオペレーターなど、多彩なアレンジを試せます。
炭酸割りに適したワインは、赤ワインなら軽めの味わい、白ワインならフレッシュで酸味のあるものを選びましょう。ワインの炭酸割りは、家庭でも簡単に作れて、季節に合わせたアレンジも可能です。ノンアルコールワインを使えば、お酒が飲めない方も楽しめます。
ワインの炭酸割りは、ワインの世界への入り口として最適です。自分好みの炭酸割りのアレンジを見つけて、ワインをさらに楽しみましょう。