ワインは右回し・左回しどちらが正解?スワリングの効果とマナーを正しく知ろう!

ワインのスワリング

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「ワインを飲むとき、グラスを回す理由は?」「右回しと左回しで味に違いはあるの?」などと疑問に思ったことはありませんか?グラスを回す動作であるスワリングの意味や目的を知らないままでは、せっかくのワインも十分に楽しめません

嫁ちゃんソムリエ

ワインのプロが初心者の方にもわかりやすく解説します。

この記事では、ワインのスワリングの目的や効果、右回し・左回しの違い、正しいスワリングのやり方を解説します。記事を読むことで、スワリングの基本が理解でき、ワインの香りや味わいをより豊かに楽しめるようになります。

スワリングは優しく回すことが重要です。ポイントを押さえて、ワインの知識をさらに深めましょう。
» ワインを楽しむなら知っておきたい!ワインの基礎知識を理解しよう

目次

ワインのスワリングとはグラスを回して香りを立たせる動作

白ワイン スワリング 右回し 左回し

ワインを飲む場面でよく見かけるスワリングには、ワインの香りを高めるだけでなく、味わいや状態をより鮮明にする役割があります。スワリングについて、以下の項目を解説します。

  • スワリングの目的
  • スワリングの重要性
  • スワリングとテイスティングの違い

スワリングの目的

スワリングの目的は、香りや味わいを引き出し、ワインの個性をより明確に感じられるようにすることです。グラスを回すことでワインが空気に触れ、閉じていた香り成分が解放されます。香りが立つことで味覚の感じ方にも良い影響が生まれ、味わいがまろやかになる点も大きな効果です。

若いワインや香りが控えめなワインでもスワリングを行うことで、本来の味わいを引き出すことが可能です。ワインの色合いや粘性の変化を観察することで、熟成度や保存状態を確認でき、飲み頃を見極める助けにもなります。

スワリングは、見た目の動作ではなく、ワインの魅力を最大限に引き出すための大切な工程です。

筆者

香りや味わいが感じにくいな、と思ったらスワリングしてみてください。驚くほどワインの開花を実際に感じ取れます。

嫁ちゃんソムリエ

スワリングの仕方は、後でわかりやすく解説していきます。

スワリングの重要性

ワインを香るソムリエ

スワリングは、ワインをただ飲むのではなく深く味わうために欠かせない動作です。香りはワインの楽しみの大部分を占めており、スワリングによって香りの層が開き、より複雑で奥行きのある香りが感じられます

スワリングはワインの品質チェックにおいても欠かせません。香りや粘性、色味を観察し、ワインのスタイルや状態を把握するために必要な工程となっています。スワリングは飲む前の期待感の向上にも効果的です。香りが豊かに広がった状態で味わうことで、ワインの表情や余韻まで楽しめます。

スワリングとテイスティングの違い

スワリングは、ワインの香りをより豊かに引き出す効果があります。一方のテイスティングはワインの色・香り・味わいを総合的に評価する動作です。スワリングとテイスティングの違いは以下のとおりです。

方法目的動作
スワリングワインが持つ本来の香りを「開かせる」グラスを回しワインを空気に触れさせる
テイスティングワインが持つ色や香り、味わいなどの特徴を総合的に理解する見る、嗅ぐ、味わうなど五感を使って分析する

テイスティングの際には、香りをしっかり感じ取るためにスワリングが行われます。結果として、ワインの持つ特徴をより正確に捉えられます。

ワインのスワリングの右回しと左回しの違い

スワリングの右回しと左回し

ワインのスワリングは、右回しでも左回しでも味わいに大きな違いはありません。一方で、以下の背景からスワリングの右回しと左回しの違いが生まれている場合があります。

  • 科学的な視点から見る味への影響
  • テーブルマナーの観点
  • 文化的・歴史的背景による観点
  • 利き手による自然な回転方向

科学的な視点から見る味への影響

ワインを右に回しても左に回しても、科学的に味に大きな違いは生じません。ワインの味わいや香りが豊かになる理由は、グラス内でワインが空気に触れ、酸化が進み、香り成分が開くためです。

ワインの変化はグラスを回す方向には直接関係せず、空気との接触具合が影響します。もし味の違いを感じた場合は、無意識にスワリングの強さや速さ、回している時間が異なっていた可能性が考えられます。

筆者

グラスを回す方向で風味が変わると言う人はいますが、科学的な根拠は証明されていません。

嫁ちゃんソムリエ

右回しでも左回しでも、スワリングしやすい方向でOKです。

テーブルマナーの観点

ワインのスワリングにおいて最も大切な点は、周囲への配慮です。一般的には反時計回りが自然で安定しやすいとされています。日本人は右利きが多いため、手首の動きとして反時計回りの方がグラスの内側にワインが沿いやすく、飛び散りにくいからです。

筆者

反時計回りとは、右回り(時計の針が進む方向)です。

一方、時計回りに回すとワインが外側に飛び散りやすくなり、テーブルクロスや周囲の人にかかってしまう恐れがあります。スワリングの際は回す方向よりも、周囲への気遣いを忘れないことがマナーとして重要です。

嫁ちゃんソムリエ

一般的には右利きは右回し、左利きは左回しがしやすいです。

文化的・歴史的背景による観点

スワリングの歴史

ワインのスワリングにおけるグラスの回転方向には、文化や歴史的背景が深く関わっています。もともとワインは神聖な飲み物とされ、儀式や上流階級の場で楽しまれてきました。以下の文化的・歴史的な要素が、スワリングの意味づけに影響を与えています。

  • 古代文明における儀式的な意味
  • 中世貴族社会でのマナー
  • 地域ごとの伝承や吉凶、味に関する影響
  • 錬金術や神秘思想にもとづくエネルギーの概念
  • 特定産地や生産者の伝統的な習慣

ワインをグラスでくるくる回す「スワリング」は、香りを開かせるための大切な動作ですが、回す方向にも実はさまざまな文化的背景が関係していると言われています。

古代の儀式では、神への供物や酒が神聖なものとされ、ワインも特別な意味を持っていました。こうした場では、動きの方向にも意味づけがあり、右回しが神聖・吉兆とされることがあったと考えられています。

また、中世ヨーロッパの貴族社会では、ワインは格式ある場で提供される高級な飲み物であり、グラスの持ち方や動かし方にもマナーがありました。スワリングの方向や所作も、その流れの中で「美しい振る舞い」として洗練されていったのです。

一方で、地域ごとの伝承や言い伝えにより、「この土地では左回しが縁起が良い」「特定の料理との相性には右回しが良い」といった口伝も見られることがあります。味や香りの感じ方にも、意識や習慣が影響を与えるというわけです。

さらに、錬金術や神秘思想などの思想体系では、「エネルギーの流れ」や「循環の方向」が重要視され、右回し=陽(正)、左回し=陰(逆)といった考え方がありました。このような思想が、ワインの所作に無意識に取り入れられた可能性もあります。

つまり、スワリングの右回し・左回しは、古代から現代に至るまでの宗教観、マナー、美意識、地域性が折り重なって生まれた「所作の文化」とも言えます。

利き手による自然な回転方向

ワインをスワリングする際、回す向きに迷ったときは、自分の利き手に合わせて自然に回せる方向を選びましょう。どちらの方向でもワインの香りや味わいに違いは生じないため、無理に方向にこだわる必要はありません。

手首の構造上、内側にひねる動きの方がスムーズに回しやすいとされています。右利きの人は反時計回り、左利きの人は時計回りがおすすめです。

ワインのスワリングの効果

ワインの香りにうっとりする女性

「グラスを回す」という単純な動作によって、ワイン本来の魅力を引き出す効果があります。スワリングの具体的な効果は以下のとおりです。

  • ワインの香りを立たせる
  • ワインの酸化を促進させる
  • ワインの状態を確認できる

正しいスワリングにより、ワインを飲む体験がさらに豊かで充実したものになります。

ワインの香りを立たせる

スワリングによってワインが空気に触れると、閉じていた香り成分が引き出され、香りをより豊かに楽しめます。特に、開けたばかりのワインや若いワインは香りがまだ十分に開いていないため、スワリングによる効果が大きく表れます。

グラスを回すことで、隠れていた華やかな香りや複雑な香りが感じ取れるようになり、繊細な違いにも気づくことが可能です。スワリングは、ワインが本来持つ香りの魅力を引き出すために欠かせません。

時間とともにワインの香りは変化します。時間の経過とともにスワリングを数回繰り返すと、香りの変化を楽しめます。香りの移ろいを意識しながら飲むことで、ワインの個性や奥行きをより一層感じ取ることが可能です。

ワインの酸化を促進させる

ワインが酸化する仕組み

スワリングには、ワインを空気に触れさせることで、酸化の速度を促進し、味わいをまろやかにする効果があります。グラスを回すことで、空気との接触面が増え、酸化が進みます。スワリングを行うことでワインに起こる変化は以下のとおりです。

  • 空気との接触面が広がる
  • 渋み成分が穏やかに変化する
  • 隠れていた風味が引き立つ
  • 全体の味わいが丸みを帯びる

スワリングは、ワインが持つ本来の魅力を引き出し、より深い味わいを楽しむために欠かせない動作です。

ワインの状態を確認できる

スワリングを行うことで、視覚や嗅覚からワインの状態を判断しやすくなります。スワリングによって確認できるポイントは、以下のとおりです。

  • 色の濃さや透明度
  • アルコール度数や甘みの目安(液体の粘性)
  • 澱(おり)の有無や状態
  • 泡のきめ細かさや持続性(スパークリングの場合)

スワリングは、単に香りを楽しむ動作にとどまらず、ワインの状態を多角的に把握する効果があります。

ワインのスワリングの正しいやり方

スワリングの正しいやり方

ワインスワリングは、グラスの持ち方や回し方、香りを確かめる動作など、正しい手順があります。正しい方法は以下のとおりです。

  1. グラスを持ち空中に浮かせる
  2. 優しく回しながらスワリングをする
  3. ワインの香りを嗅ぐ

グラスを持ち空中に浮かせる

スワリングをスムーズに行うには、まずグラスを正しく持ち、軽く空中に浮かせます。持ち方は、グラスの細い脚(ステム)を親指と人差し指、中指の3本でそっとつまむように支えることが基本です。
» ワイングラスの正しい持ち方やマナーもわかりやすく解説

グラスの膨らんだ部分(ボウル)を手で包み込むように持つことは避けましょう。手の温度がワインに伝わり、香りや味わいが変化してしまう恐れがあるためです。

グラスを持ち上げたら、手首を使って優しく回します。持ち上げた際は、周囲に人や物がないかも確認し、無理のない範囲でゆったりとスワリングを行いましょう。

優しく回しながらスワリングをする

わいんぐらすを優しくスワリングする

ワインをスワリングする際は、グラスを優しく回して適度に空気に触れさせてください。勢いをつけて回す必要はありません。むしろワインの香りや味わいを引き出すためには、繊細な動作が求められます。

まずは手首を使い、グラス全体をゆったりと揺らす感覚で円を描くように回しましょう。グラスを回す際、テーブルの上にグラスの底を軽く置いたまま回すと安定感があり、初心者でもこぼしにくくなります。慣れてきたら、空中で小さな円を描く動作に移ってください。

スワリングは、グラスを軽く2〜3回回す程度で十分効果があります。ワインがグラスの内側を伝って流れ落ちる様子が確認できれば、適切なスワリングができています。グラス内のワインの量が多すぎるとこぼれるため、ワインはグラスの3分の1以下を目安に注ぐことを心がけてください。

ワインの香りを嗅ぐ

スワリングの後は、ワインの香りを丁寧に嗅ぐことが重要です。香りからは、ワインの特徴や品質、熟成の状態などの情報が得られます。グラスに顔を近付け、ワインの香りが感じられるかを意識してみましょう。

ワインからは果実や花、ハーブ、スパイスなどのさまざまな香りが立ち上り、味わいの奥行きもより豊かになります。スワリングによって香りの強さや複雑さ、全体的な印象もより明確になります。時間の経過とともに香りが変化する場合もあるため、何度かグラスに鼻を近付けて、ワインの移ろいを楽しんでみましょう。

ワインのスワリングの注意点

スワリングの注意点 メモ

スワリングは、正しい方法で行わなければワイン本来の香りや繊細な味わいを損なうことがあります。以下のポイントを意識して行いましょう。

  • グラスを回しすぎない
  • 力を入れすぎない
  • 手の熱をワインに伝えない

グラスの扱い方でワインの性質が変わります。適切なポイントを押さえ、ワインの個性をより深く味わいましょう。

グラスを回しすぎない

スワリングの際にグラスを回しすぎると、ワインの香りや味わいを損ねてしまいます。過度なスワリングによる影響は以下のとおりです。

  • 繊細な香りが飛んでしまう
  • ワイン本来の個性が失われる
  • 温度が上がり、風味が変化する
  • ワインがこぼれるリスクが高まる
  • 所作が大げさに見えて周囲に不快感を与える

必要以上にグラスを回さず、丁寧な動作を心がけましょう。

嫁ちゃんソムリエ

スワリングは軽く2〜3回回す程度で十分効果があります。

力を入れすぎない

力を入れすぎているスワリング

スワリングの際に力を入れすぎると、動作が不安定になり、こぼれる原因になります。優しく丁寧な動作を意識することで、以下のような点に配慮できます。

  • ワインがグラスからこぼれることを防げる
  • グラス破損のリスクを減らせる
  • 動作が美しく見える
  • ワインを過度に揺らさず適度な空気接触が保てる
  • 手首や腕に余計な負担がかからない

スワリングは「軽やかさ」が大切です。無理な力を加えず、自然なリズムで行いましょう。

手の熱をワインに伝えない

ワインは、温度変化に敏感です。グラスを持つ際は、手の熱がワインに直接伝わらないように注意しましょう。グラスは、脚(ステム)や底部(フット)を軽く持つことが基本です。

ボウル部分を手で包み込むと、ワインの温度が上昇し、本来のバランスが崩れてしまいます。特に赤ワインは過度に温めると香りが重くなりがちです。

白ワインやスパークリングワインは適温を保つことでフレッシュさや爽快感が引き立ちます。ワインの魅力を十分に引き出すためにも、グラスの持ち方に意識を向けて楽しんでください。
» 美しく見えるワイングラスの持ち方を紹介

まとめ

ワインをスワリングしているソムリエ

ワインのスワリングは、香りや味わいをより豊かに楽しむための大切な動作です。グラスを回すことでワインが空気に触れ、閉じていた香りや繊細な風味が引き出されます。正しい方法でスワリングを行えば、ワイン本来の魅力を最大限に感じ取れます。

回す向きに決まりはなく、自分が自然に回しやすい方向で構いません。ただし、グラスを回しすぎたり、力を入れすぎたりしないよう注意が必要です。

基本を押さえてスワリングを取り入れることで、ワインの奥深い世界をより一層楽しめます。ぜひ実際に試して、ワインの豊かな香りと味わいの変化を体験してみてください。

ワインのスワリング

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この記事を書いた人

日本ソムリエ協会認定のソムリエ夫婦です。
プロの感性を活かして、本当に美味しいワインをご紹介。
ただのレビューサイトではなく、ワインの基礎も分かりやすく学べます。
ワインを自分で選べるようになりたい人は当ブログをお役立てください!

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